工房の時の話です。
俺の学校の近くに友達の家があって部活の帰りに良く寄っていったんですけどその家の近くにはお寺と墓場が…何かありきたりな感じでいかにも出そうなんですよ。夜に。
で、ある時に聞いたんですけど友達のK君が、K「ここの近くの墓場に墓石じゃなくて卒塔婆がクロスさせてあるのがあるって知ってた?」漏れ「(゜д゜)ハァ?」そいつの話によると(小さな墓場なんですけど)たくさんある墓石の中に端の方で卒塔婆が×になってる場所があるそうです。そこの側には小瓶に入った枯れたタンポポと腐ったテディベアが備えてあるとのことです。
で、そこに入ってるのはどこの仏さんよ?と聞いた所…K「…学校の近くの交差点で10㌧トラックに轢かれた幼女…」マジ、自分の学校の近く、とか、幼女ってとこだけでも既にガクブルでした。その轢かれた女の子はお母さんと一緒に幼稚園の帰りだったそうで女の子は即死、お母さんも助かったのに後を追う様に自殺したそうです。
お父さんは既に離婚した後らしく親戚もごく僅かな状態でしめやかに葬式を開いたらしいのですが、お通夜の時に親戚の何人かが交通事故、突然の心臓発作などにより次々と死んでしまい恐くなった残りの親戚の人達は自分達の家から余り近くないお寺に骨を預けさっさと引っ越しやらなんやらしたそうです。なぜお墓が無いかというのは親戚の人がその子に関与すると自分も死んでしまうと思ったのか(実際死んでますから)お寺の住職さえも手を付けてないからだそうです。
それで、ここまでは普通(?)の話なんですけど…その後の話でKの家に別の友達(以降、T君)が遊びに来たその帰りに…「それ」に遭遇してしまったらしいです。話によるとTがKの家を出て一時間後電話が掛かってきたそうです。
T「……ついてきたよ…」K「は?」(暫く沈黙)T「…オレのチャリの後に女の子が乗っててニヤニヤしながら『どこ行くの?』って聞かれて………!」その後、受話器から聞こえてくるのはTのマジ泣きしたすすり声だけだったそうです。どうやらTはKの家からの帰り道でそのお墓をチラ見していったそうです。
そのチラ見の一瞬、例の卒塔婆が目に入ってしまったらしいです。「その子」はまだ成仏していないらしく自分と目があった人とは遊んでくれると思い込んでいるのか必ずついて回るそうです。
で、ここまでの話を聞いてるうちにオレは帰る時間になってその墓場の前を通らないと帰れないんですがK「この時間帯は絶対に墓場に目をやるな。」と、いつもふざけている奴から真剣に注意され完全にビビッたオレは遠回りして帰る事にしたんですが、その時はチャリンコだったし人通りの全くない細い一本道だったので、後ろを見るのが超恐かったです。
何とか家までは帰れましたが、その後夢の中で蒼白の女の子が後からついてくるシーンやクロスされた卒塔婆が何回もフラッシュバックして眠れない日が続きました。(今は何ともありません)Tもオレと同じ様に悪夢にうなされていましたが三日位で復帰しました。