洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】他愛のないおしゃべり

    2025/11/10 18:00

  • ある寮での出来事。

    同室の先輩と後輩が夜中にトイレに行った。

    後輩は寮に入ったばかりなので
    薄暗い廊下の向うにあるトイレは苦手だった。

    先輩がトイレに行くと言うのを待っていたのだ。

    トイレは個室が5つ、
    総て空いていた。

    どうやら自分たちだけのようだ。

    先輩の隣の個室に入り用を足していた。


    水の流れる音がして
    先輩がドアを開ける音がして
    一人になってしまう恐怖から

    「先輩、お願い待っていてください」

    と声をかけた。

    先輩は

    「ええ~」

    と一言。

    「お願いします」

    と何度も言った。

    先輩が待っていると
    思い早く終わらせなければと思ったが中々出ない。

    緊張からか腸が拒否をしているようだ

    「すみません、もう少しなんで」

    と声をかけると

    「良いよ~、ゆっくりで」

    と声が帰って来た。

    ホッとして緊張が緩んだせいか
    他愛のないおしゃべりを仕始めた。

    先輩は

    「そうかぁ~」

    とそのたびに相槌をうってくれた。

    水を流して個室を出ると誰もいない。

    急いで手を洗い
    廊下に飛び出すと先輩は
    自室の前で待っていてくれた。

    自室からはトイレの入り口が丸見えになっている。

    「先輩最後まで待っていてくださいよ~」

    と声をかけたら

    「えっ、ずっとここで待っていたけど?」

    と、先輩は自分が用を足し終えると
    すぐにトイレを出て自室に向かった。

    でも後輩が気になり
    トイレが見える部屋の前で待っていた。

    「だって、先輩先に出て待っていてくれたんじゃないですか」

    「ううん、すぐに出たよ」

    「ずっと喋っていたじゃないですか」

    「……、とにかく部屋に入ろう」

    先に出た先輩は誰もトイレに入って来なかった事を告げ、
    あのトイレは時々そういう事があるらしい事を教えてくれた。