10年以上も前の大型台風が来た時の話私はこの時中学生でした。
雨風も酷く家族と一緒に高台にある公民館に避難したんですが運悪く丁度人が満杯の状態になった時に辿り着き、無理にでも入ろうにもすでにみっちりな状態で私達親子と友人一家、あとお隣の老夫婦と指導員(先生だったかな?)でさらに上の方にある廃校になった小学校に行く事になったんです。小さな学校で体育館もない。
ただそんなに年数もたってなく風雨は凌げるものでしたが雰囲気は中学生だった私には最悪でした。無論怖がりだったからです。
みんなが寝泊りする場所はある教室の一室でした。選んだ基準は一番綺麗だったからです。
ただしトイレからは一番離れていました。そして夜も更け、あいも変わらず雨風はおさまらずけたたましくガラスを打ち付けてましたが、みんな移動に疲れて眠ってしまいましたが、何故か私は眠れません。
目を開けてても廊下にある裸電球が軽く外の様子を写すだけで聞こえる音もやかましい風の音だけでしたが・・・・・しかし、妙な音が混じっているのに気がついた。パカン・・・・・・・・・・・・パカン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・パカンなんの音だろう?と気になってはいましたが確かめる気にもなれませんでした。
不意に尿意がモヨオシテきてしまい、みんなぐっすり眠ってるので(中学生てのもあって)怖いのを我慢してトイレに向かったのです。あの大して軽快ではない<パカン>と音が耳につくなかで・・・・・じっとりしたいやぁな雰囲気の中、頼りない裸電球の明かりの下トイレに向いました。
するとあのパカンという音がトイレに近づく度に大きくなっているのです。私は便所のフタが風で揺さぶられているのかと思っていましたが、トイレの前まで来た瞬間そんな事はどうでもよくなってしまった。
正確に言えば考える余裕がなくなった言った方が正しい、トイレの前に佇む人影が目についたためである。その人影は裸電球を挟んで私とは反対の位置にいたので正確な姿はわかりませんが何故か目だけはハッキリと見えました。
・・・・・「おかしい」目を見た瞬間の私の正直な感想でした。それは何故か?理由は簡単、左目と右目の距離がどうみても離れすぎている、しかも頭もかなりでかい。
そして、眺めていると左目と右目の間隔がさらに開いていき頭ので大きさも広くなりそして一気に左目と右目の間隔が短くなって普通の人間の頭くらいの大きさになり・・・・・・・・・・・・・・・・・・パカン・・・・・・・・・・・・・・・・・例の音がした。同時に目の前にいるが人ではない事にも気づいた。
体も金縛りにあったように動かない目も閉じられずそいつを凝視しているとパカン・・・・・・・・・ズッズッパカン・・・・・・・・・ズッズッそいつは何かを引きずるような音を立てながら近づいてきている。そいつが裸電球の下まで来た時にわかった事は影ではなく黒い塊に爛々と輝く目がついているのだ。
その瞬間体が自由になり、唇をかみ締め走ってみんなが寝ている教室に飛び込んで親を起こして確認してもらったが何もいなかったと言うオチもともとこの学校には色々なイワクがあり、嫌だなあと思いつつも避難してきたが案の定こんな体験をしてしまった。幽霊というより化け物とか妖怪みたいな類と思うけど、ワタシのなかでは勝手に妖怪「パカパカサン」と名づけて心にしまっておりました。
まだ人間の幽霊の方がマシだと思ったよ。