洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】旧日本軍の軍人

    2024/04/02 09:00

  • 九段下のホテルに泊まったときの話です。

    電気を消してベッドに入りました。すると、ドアが開く音がしました。

    カツン、カツン、と誰かが入ってきます。ここですでにおかしなことが三つ。

    一つ、オートロックのはずなのに、なぜ入れるのか?一つ、絨毯の上を歩いているのに、なぜカツンカツンと足音がするのか?一つ、なぜ自分は起き上がれないのか?ちなみにベッドに入って30秒ほどです。まどろんですらいませんでした。

    瞼だけは開きます。暗闇にうっすらと姿形が見えてきました。

    「!」その人影は、軍服を着ています。どうやら旧日本軍の軍人のようです。

    将校クラスのように見えました。私を見おろしながら、何か言っています。

    しかし、私には何も聞こえません。表情から、怒っているようでした。

    だんだんと口調は激しくなり、怒鳴っているようでした。相変わらず私の耳には何も届きませんが、すさまじい怒気だけは伝わってきます。

    軍人はやれやれというような表情をすると、おもむろにピストルを取り出しました。銃口を私の頭に向けて、今度は穏やかな表情で話しています。

    私は目で命乞いをするので精一杯です。彼は、フッ、と笑うと、私に向けて、バン!と発砲しました。

    翌朝、いつもどおりに目が覚めました。けれど、もうそのホテルを利用することは一生ないでしょう。