某大震災の後、家の荷物を置くためにアパートを借りた震災で倒壊した家からは少し離れてはいたが6畳x2、トイレ、キッチン付き、駅から徒歩5分で3万円という破格の値段だった地震後のボランティア価格で出される物件も多く風呂も無く築30年以上たっていたのでその価格に納得していた。
仕事場が近いこともあって、俺だけがそこに一人暮らし初めてアパートに入ったときから「奇妙な気配」はあったのだがその日はとくに強かったTVを見ながらもちかえった書類を片付けていると玄関を開ける音がして足音が近づいてきたどうやら隣の部屋に入ったようなのだが・・・・家族の誰かが荷物を取りにきたのだろうと無視していたが蛍光灯をつけた気配が無いそのまま何かを探すような音は続いているじわじわと恐怖が心の中を広がる焦りのためノドが渇いてきたのだがその部屋の前を通らないとトイレにも台所にもいけないので湧きあがる恐怖を打ち消して台所に向かった音のする部屋にはだれも居なかったすぐにでもアパートを飛び出したかったがこんな現象は初体験のオレは気のせいということにしてそのままコンビニに酒を買いに行った。アパートに帰ると点けていたはずの電灯やTVが全て消えていた蛍光灯のスイッチを入れてもまったくつかなかったのだ部屋の電気、TV・・・この2つしかつけていなかったのにブレーカーが落ちていたそれからも怪現象を無視する日々がつづいたのだがある日、いつものように玄関を開けて足音が近づいてきたいつものように隣の部屋で止まるかと思っていたが足音はそのままオレの居る部屋のドアの前まで来たのだったキイィィドアのきしむ音がする部屋の外から蒸し暑い空気が流れ込むのがわかるTVはバラエティー番組をやっていてお笑い芸人のバカな笑いが響いていたがオレの周りには張り詰めた空気がただよっていた意を決して振り返ると・・・ダダダダッと、走り去る足音が聞こえたちびりそうなくらい怖かったが空き巣だったら危険だと思いなおして玄関の鍵を確認に行った空き巣ではなかったようだ・・・部屋に戻って怖さのあまり酒をあおりながら仕事を続けたが玄関を開ける音、近づく足音はずっとやむことは無かった。
いまはアパートを引き払って、建て直した家に住んでいるがそのアパートを引き払うときに管理人さんが言った言葉が忘れられない「ココ最近ではアンタが一番長持ちしたね・・・荷物置きって言うから貸したんだけど、実際に住むとは思わなかったよ」すいません、この部屋っていったいなんだったんでしょうか・・・・