2年前の出来事です。
当時居酒屋でバイトをしていて家に帰るのはいつも深夜0時過ぎでした。住んでたアパートから居酒屋まで徒歩10分くらいで、普段は自転車でしたがその日は友達と遊んだ後直接バイトに行ったので歩いて帰ることになってしまいました。
帰り道には集会所があり、その前を通りかかった時建物の影に誰かが立っているのが影の動きで分かりました。集会所は誰も居ないらしく電気も消えて静まりかえっています。
こんな所で何をしているのだろうと怖くなったのですがそこを通らないと家に帰れないので走って通りすぎることにしました。何者かが潜んでいる所を見ないように通り過ぎようとした時「おい。
」と声をかけれらました。男の声でした。
私はやばい、変質者か?と思い、振り返らずに全速力で走り続けました。次の角を曲がれば家が見える所まで来た時、後ろを振り返って誰も追いかけて来ていないのを確認し、速度を緩め角を曲がりました。
その角から私のアパートまで約30メートルぐらいあるのですがアパートの前に男の人が居て、向こうを向いて歩いていました。一瞬吃驚したのですが、たまたまそこを歩いてる人なんだと考えてそっちの方に歩いて行きました。
前方の男の人は歩くのがとても遅く、足を引きずるような変な歩き方でした。足の悪い人なのだろうと思い10mぐらいに近づいた時男がまだアパートの前を歩いていて(全然進んでない)おかしいと思うと同時にその男の右足首に何かが巻きついているのが見えました。
よく見るとそれは肘から下の人間の手に見えました。男は手に足首をつかまれていたのです。
吃驚して立ち止まると、男も立ち止まりゆっくりと振り返りました。私と目が会うとニヤリ、と笑いゆっくり方向転換して私の方に向かって来ました。
私は怖くてその場に座り込んでしまいました。男はゆっくりゆっくり足を引きずりながら近づいて来ます。
私の目の前まで来るとゆっくり腰を屈めて顔を近づけてきました。ニヤニヤ笑いながら私の耳に口を寄せ何か囁きました。
「次はお前だ」このセリフと同時にすごい光が私と男を照らしました。明かりの方を一瞬向いて男の方に向き直るともう居ませんでした。
明かりの正体は車のライトでした。私が泣いていたので車の運転手が降りて来てくれて変質者に会ったと思ったらしく近くの交番に連れて行ってくれました。
警察の人に一応男の事を言ったのですが信じてもらえる筈もなくアパートに近づくのも嫌で友達の家にしばらく泊まり、バイトもやめて引っ越しました。