小ネタを一つ。
俺が昔住んでた家は、線路がすぐ近くにある場所だった。なので、電車が通り過ぎる音がうるさくてしょうがない。
その日は、昼間ずっと遊んでいて疲れてたので夜の10時くらいには寝てしまっていた。うつらうつらしてると電車の通り過ぎる音がした。
「ガタンゴトン。ガタンゴトン。
」 ああ電車が通ったんだなと、いつもの様に、特に意識もせずにいた。10年以上この線路沿いの家に住んでると、騒音にも慣れてくるものだ。
「ガタンゴトン。ガガゴゴトントン。
ガタンゴトン。」 普段は聞き慣れているのだが、この時はなんか変だなと思った。
目が完全に覚めた俺は、この電車の音がやけに長い事に気がついた。とっくに聞こえなくなってもよいはずの音。
だんだん怖くなってきた。すると、音は人の声の様になって、 「グオォ!!ウオォ!!グアァ!!ウアァ!!」と叫び声のように変わっていったのだ。
部屋の窓のすぐ向こう側から聞こえてくるので、逃げるように部屋から出た。それからしばらくは、電車が通り過ぎる度、怖くてしょうがなかった。
寝る時は、なるべく耳栓をしていた。しかしあの時の男の叫び声は、今も頭から離れないでいる。