洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】あるばずのない手

    2023/04/10 09:00

  • 私、毎年同じ時期に風邪をひくんです。

    1月末~2月頭にかけて。それも39度を超える。

    こんな習慣がはじまったのも、6,7年位前。あの出来事が起きてからでした。

    あの日私は、夜中突然の吐き気で目が覚めました。今までに味わった事の無い、猛烈な吐き気。

    朦朧とする意識の中、トイレへ駆け込み、そして気づけば朝でした。当時学生だった私は学校を休みました。

    高熱で行ける状態ではなかったのです。風邪には強かったため、ここまでの高熱は初めての経験でとても辛かったです。

    それからまる2週間、自宅で点滴の日々が続きました。体力は落ち立つ事さえもままならない状況で、それは起きました。

    その日も自宅で点滴を済ませた後、布団の中、体の痛みにじっと耐えていました。ただじっと。

    私には何かをする体力は残されていませんでした。そんな時、ふっと。

    ホントに何気なくふっと自分の左肩に目をやったのです。そこには手がありました。

    あるはずの無い手が、そこにはありました。重さをまるで感じないのに、私の左肩に触れる感触は実際のもののように感じました。

    記憶では若い女の人の手だったように思います。それがポンっと置かれていたのです。

    ・・・こんな状況に置かれたら、みなさんどのような行動にでますか?私は大声を上げてしまい、その手を肩から振り払ってしまいました。そのせいで母親が何事か、と私の部屋に大急ぎで駆けつけてしまうのですが・・・その手を見てから、急激に熱の下がり、体調も日に日に回復していました。

    母親には、その手はご先祖様の物で、お前を助けてくれたんだよ。そう言われました。

    私自身もそう信じていたのですが・・・その後、霊感の強い知人にこの話をしたところ、こう言われました。「お前、その手を払わなければ、死んでいたんじゃないか?」毎年、この時期になると不安になります。

    猛熱のなか朦朧となりながら、今年は大丈夫だろうか・・・と。