洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】あれがここまで来たら帰れなくなる

    2023/08/08 21:00

  • 友人と夜11時過ぎに神社に行った。

    (肝試しのつもりはなく、飲んだ帰りに急にお参りを思い立った)お参りして戻ろうとしたとき、黒猫が2匹、神社の脇から出てきた。なぜだか立ち止まってしまった俺の周りを、猫はぐるぐる歩き始めた。

    俺を中心に半径2m位で、半時計回り。1~2分続いただろうか、猫は動きを止めた。

    狛犬のように俺の前にたたずんだ。二匹は、俺をじっと見ていた。

    俺は突っ立ったままだった。恐怖心はなかったが、「何か起こしてはいけない者を起こした」ような気がした。

    (後で聞くと友人は、俺と猫の様子を脇から見ていて悪寒がして動けなかったそうだ)俺はその場に立て膝をついた姿勢で座った。手のひらを地面に付け、「騒がしてスイマセン。

    静かに帰ります」と一心に念じた。すると、俺の左斜め前にいた猫が近づいてきた。

    そして、俺の左手の指先を噛んだ。痛かったが血は出なかった。

    俺は、猫のするがママに任せた。猫は元の位置に戻り、また俺を見つめた。何だか試験に受かったような気がした。

    このまま帰れそうだと思ったとき、もう一匹、猫が神社の方からゆっくりと歩いてきた。白い猫だった。

    黒猫より一回り大きくて、尾をまっすぐ上に突き立てていた。「あれがここまで来たら、帰れなくなる」そう感じた俺は、友人に声をかけ二人で後ずさりして鳥居を抜けた。

    黒猫は、ずっと俺たちを見つめていた。階段を下り、鳥居をくぐりぬけ、振り返らずにそのまま帰った。何だったんだろう、アレは。