俺の母親は元幼稚園の先生で、ピアノももちろん弾ける。
それで、母さんは子供の時から使ってたピアノを、嫁入り道具として持ってきた。俺が生まれたときからあったピアノだから、俺もよく弾いてた。
それなりにでかくなってオタになってから、身の回りにあるものの擬人化にハマった。それで、ピアノを擬人化したんだ。
他の物を擬人化しようとしたときはかなり迷ったりしたのに、ピアノの時だけは、少しウェーブのかかった黒髪の白いワンピース(レースついてた)着たかわいい女の子としか連想できなかった。ある日寝てたら、地震が起こった。
でかい地震だった。目を覚ましたら、丁度天井が落ちてくるところで、目の前に天井が迫ってきてた。
(あぁ…死ぬのかな…)呆然とそう思ってたら、天井がガガって言って止まった不思議に思ってたら、耳元で「大丈夫」って声がして、あわててよこを向いたら、擬人化したあのピアノが笑ってた。かなり美人だった。
助け出されるまで隣にいて、「大丈夫」「絶対助けてくれるよ」って励ましてくれた。人が来て、天井が持ち上げられる時に「じゃあね」って女の子は消えた。
ピアノは傷だらけだった。今でもピアノは調律しなおして大事にしてます。
たまに女の子も夢にでてきます。