俺にうっすらとある小学生ぐらいの時の記憶。
友達数名とガケの近くで遊んでて、そのガケには子供ならギリギリ入れるぐらいの穴が開いてた。で、友達の一人がそこに入っていった。
俺や他の友達はなんとなく怖かったから入らないで待ってた。10分ぐらいかな、しばらくしてそいつが出てきたら顔が青白くなってて汗びっしょりになってやがんの。
穴の中の空気が悪かったのかな、と思って聞いてみたんだけど、そうじゃないって言うのね。じゃあなんでそんなに冷や汗かいて顔が青白いんだって言ったんだけど、何も答えなくなっちゃった。
それで、自分でも分からないんだけど、さっきまで怖くて入れなかった穴になぜか興味が出てきて、自分で入ってみることにした。他の友達は気分が悪くなったヤツについてたから俺一人。
穴に入ってみると、暗くて狭くてすっごいイヤな予感がした。でも、途中で引き返す訳にもいかず、よつんばいでずりずり進んでいくと、ちょっと広い場所に出た。
ぎりぎり立てるぐらいの広さ。で、なぜかそこだけちょっと明るいの。
それまで暗かったからまぶしいぐらい。目が明るさに慣れると、奥は行き止まりになってて、そこの壁になんとなく絵がかかってるのが見えた。
なんか白っぽい絵だったんだけど、そこで本能的にこれ以上見ちゃいけないってなんでか思って、急いで引き返して外に出た。まだ苦しそうに倒れてるヤツを見て、ああこいつはあの絵を詳しくみちゃったんだな、って思った。
しかも、俺の家の近くにはガケなんかないし、一緒に遊んでた友達ってのも誰だったか分からない。絵を見ちゃったヤツも、その後で死んだとかいう話は無かったような気がするし、そもそも誰だか分からないし。
俺にとってはなんでこんな記憶があるのかっていうがちょっと薄気味悪いけど・・・