漏れのばあちゃんは俺のことをずいぶんかわいがってくれていた。
俺もそんなばあちゃんが大好きだった。そんな、ばあちゃんが亡くなる2日前の夜。
その日の夜は家族が交代で病室のばあちゃんを見守っていた。母親が「ちょっと飲み物買ってくるわ」と、俺を独り病室に残し出て行った。
夜の2時半。流石に眠かったのか、ベッドの脇の椅子に座りながらこっくり…こっくり、と夢と現を彷徨っていた。
ふと、ばあちゃんがむっくり起き上がった。(寝たきりのはずが)「え…?」とわけがわからずぼけっとしてると、突然ばあちゃんが俺の首を締めて来た。
無表情で。「…うぉ…なんで…」あのばあちゃんにこんなことをされていることが、恐くてたまらなかった。
死ぬ、と思った時に、ガクン、となって、椅子から落ちそうになっていた。見るとばあちゃんはいつものように寝たまま。
母親が程なく帰ってきた。俺が「遅いよ、どこまで買いに行ってたの?」ときくと「え?スグそこの自販機じゃん」と。
時間の感覚が狂ったのかな…あれは。2日後、ばあちゃんは臨終した。