私がまだ5歳くらいのころ、お祖母ちゃん家で飼っていた犬(チー)が死んだ。
途中ジステンバーにかかり下半身不随になりながらも20年生きた。最期は眠るように死んだらしいです。
お祖母ちゃんはとても大切にして可愛がっていたから、とても悲しがっていたのを今でも覚えている。チーの死骸は裏の庭に埋めたんだそうだ。
お墓の傍にはお花と、大好きだったミカンを供えていたそうだ(正確にはミカンの皮が好きだったw)そして何ヶ月か過ぎて、悲しみも徐々に薄らぎ、日常に戻ろうとしていたときのことだそうだ。お祖母ちゃんが眠っていた時のこと、その日はいつもと違った夢を見たそうな。
なんでも、お祖母ちゃんが家の中で家事をしていたときのこと、なんとその犬が玄関の戸をガラガラ、と開けて帰ってきたのだ。吃驚してお祖母ちゃんが駆け寄ってみると、チーは全身びしょ濡れだった。
外を見てみても雨が降っているわけではない。そんなチーはじっとお祖母ちゃんを見つめていたとか。
そこで目を覚ましたお祖母ちゃんは、折角だから久しぶりに墓参りにでもいこう、と思い、花を持って裏庭に出かけた。お祖母ちゃんは墓の前まで来て、「おや?」と思った。
風か何かで倒されたのか、花瓶が倒れているではないか。しかもよく見ると、倒れた花瓶が丁度、チーを埋めた場所に転がっているのだ。
中に入っていた水も全て、その土の中に染みこんでいるらしかった。きっとチーは、この事を伝えたくて夢の中に出てきたんだろうねぇ、冷たい水で濡れて気持ち悪かったんだろうねぇ、と後にお祖母ちゃんは語ってくれました。