俺がまだ厨房だった頃。
普段から視界の端にカラーで幽霊らしきものが見えると思い込んでた。そう恐らく思い込みだったんだ。
そいつに会うまでは。俺の家の間取りは吹き抜けになった階段を上り切った正面に親父の和室。
右手に兄の和室。左手に俺の洋室とあるわけだがその日も調子よく少々螺旋状になった階段を駆け上がったが登りきる前に硬直した。
そいつが居たんだ。正面の和室の半分開いた襖から身を半分乗り出し、手を襖にかけている。
ただ恐ろしいのは今まで遠くの方しかも視界の端にしか見たことなかったのに1メートル位しかない距離でしかも真正面に対峙している事とそいつはカラーでなく真っ白で髪が長くめちゃくちゃ睨んでくる。怒っているのが一発でわかったし、それから異様なのが中指やら五指の内2、3本がやたらと長い。
俺は何も言わず素早く階段を掛けおり台所で用事をしていた母の隣にいった。しばらく二階には上がれなかった。
これにはまだ後日談がある。以下後日談その日から一ヵ月以内に母が一階の居間で金縛りにあった。
彼女は非常に怖がりなので疲れていたからだと自分に言い聞かすが、明らかに胸に何か乗ってきてがくがく震えが止まらなかったそうだ。次に玄関で靴を履いていたら天井に消えていく白いカーテンの裾みたいなのを俺が見た。
ちなみに玄関の上は親父の部屋。んでまた少し日が空いて親父がきもい事を言いだした。
寝ていたらずっと顔の怖い白い女に睨まれている夢を見ると。当時そいつがこの家にすんでるんだと思うと怖くてたまらなかった。
しかもその頃頻繁に俺が部活で居ない筈の時間帯に俺の声で買い物から帰ってきた母におかえりと二階から言う声がしたと言う。兄も言われたらしい。
それからやっと怖さも薄れてきた頃自分の部屋で寝ているとそいつが俺の部屋の壁を突き抜けて隣の家に行くのを見た。約半年の付き合いだった。
それでごく最近やっとこの話を人に語れるようになったので飲みに行ったときとか調子に乗ってしゃべりまくってたわけ。そしたらまた帰ってきた。
風呂場に幽霊がいると兄が言ったのだ。基本的に信じないので嘘つくなぼけとその場は流したがある日自室に居ると下から母の声で「●●ー下りてきいよーー!」と叫ばれた。
だるかったので「嫌じゃぼけー」と帰したらすごく近い距離でふざけんなよと言われた。部屋には俺一人だったのに。
以上長文になりましたがこんな話です。これかいてる間肩が痛くてタンスがピシピシなっていると言うことはあいつはまだ俺んちにいますねorz