冬のある日の事。
部活で疲れて帰宅し、カップラーメンにお湯を注ぎ、3分待つ間寒いのでコタツの中にもぐりこんでいた。たった三分ではあるが疲れた身にこの心地よさはこたえる。
ついうとうとと寝てしまっていた。起きたのは夜の12時ごろ。
はっとカップめんの存在を思い出すが母親がとうに処理していた。曰く悲惨な惨状だった 不味かった だそうだ食ったのかよとりあえず風呂に入ってまたコタツに潜り込んだ。
もう家族の皆も各々の自室で布団に潜り込む時間だ。母親が、風邪を引くからととめるのも聞かずにコタツの中で眠る事にした。
諦めた母親は退散、何事も無くぐっすりと眠りこけるはずだった。ふと寝返りを打った俺の脚が何かに触れた。
コタツの足?いや違う。あんな角ばった硬いものじゃないソレはどう考えても人間の足としか思えないコタツの中に入っているのは俺だけだ真っ暗なリビングの中、コタツの布団の隙間から漏れるオレンジ色の光が妙に怖さを引き立てた怖い中など見たく無いしかし・・・相変わらず足は何かに触れている。
普通なら触れた時にビクっとなって足を動かしてソレから離れようとするのだろうがなぜか出来なかった布団の中をのぞこうか、のぞくまいか迷っていたら不意にソレが動いたのを感じたもう嫌だ出たい!しかし・・・何と言えばいいのだろうか、訳の分からないソレに触れた状態にある時、自分からは動きたくない気持ちを理解出来るだろうか?動いたら向こうも動きそうで怖いというのが近いだろうか?ともかく、自分から出るなんて考えられなかった。意を決して布団を覗いた。
おそるおそる覗き込んだ布団の中には何も無かった