これは、中学の時理科の先生に聞いた話です。
その先生(以降Kとします。)が大学生だったころ、先輩や後輩や同級生などで登山にいったらしいです。
そのKの先輩は霊感があるらしく、その山を登り始めたとたん気分が悪いとうったえ、よくなるまでしばらく休憩をしてそれからまた登り始めたそうです。頂上で、泊まることになり色々と便利なように川の近くにテントを張ったそうです。
夕飯も食べ、雑談をしながら楽しんでいたときに、また、Kの先輩の顔色が悪くなり、つかれているからだろうとお開きにして寝る体制にはいった。テントには、Kの先輩が一番奥で、出口につれて後輩になっていくように寝ていました。
でも、皆なかなか寝付けなくて話を寝ながらしていたところ外でカシャン、カシャンと山のぼりにつかうステッキのような棒の音がして、Kは「誰か他の登山者が来たんだな。」と思い他のひとたちもさして気にした様子はありませんでした。
次第にその足音が聞こえるくらいまで近づいてくるのが聞こえましたが、近くにテントでも張るのかな、と気にはしませんでした。しかしその足音とカシャン、カシャンという音はKのいるテントの周りを周りはじめました。
話していた声もやみ、みんな顔が青くなっています。だんだんと歩く速さは、速くなり走っているようになってきました。
そこで、だれかがぽつりと言いました。「このテントの後ろって川じゃなかったか?」確かに走っているのなら、水音がするし滑って危ないというのにこの足音は、足音とカシャン、カシャンというステッキの音しかしません。
足音は、だんだん速度が弱まっていきテントの出口の前でとまりました。出口の前で寝ていたKの後輩はそっと出口をみようとあけましたがそこには誰もたっていません。
テントの後ろには窓がありそこから光がすこし差し込んでいたのですが急にその光がとだえみんな振り返ろうとしたときKの先輩が「見るなーーーー!!!」と大声でさけびました。その声におどろき皆ふりむきませんでした。
「もう、大丈夫。」とKの先輩がいって皆眠りにつきました。
翌朝、Kが先輩に何がいたのか聞いてみたところ顔面血だらけの登山中に転落死したであろう男がテントのなかをのぞいていたらしいです。この話をきいたあと、授業はまったくすすみませんでした