洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】ヤマナリさん

    2025/11/08 18:00

  • 俺が小学生の頃、
    夏休みに田舎の爺ちゃんの家に従兄弟と泊まりに行った時の話。

    爺ちゃんの家は凄い山奥の集落みたいな所にあって、
    一週間くらい俺らはそこで川に泳ぎに行ったり、
    セミ取りまくったりして夏休み満喫してたわけ。

    で、爺ちゃんの家滞在最後の夜の事だったかな。

    いつもどおり仏間に布団しいて俺と従兄弟、
    合わせて3人で川の字みたいに並んで寝てた。

    暑苦しいから全然寝付けず、
    電気消したままゲームの話とか、
    それこそ小学生特有の話で遅くまで盛り上がってたんだ。

    一人の従兄弟が、いきなり喋らなくなって
    怯えた顔で窓の方見始めたから、
    俺らもなんだろうと思って窓の方見た。


    窓の方見たら、
    窓一面にデカイ物体が、
    網戸越しにへばり付いてる。

    最初は暗闇の中なので何なのかよく分からなかったが、
    目が慣れてくるにしたがって、正体が見えてきた。

    恐怖というより、
    驚愕のせいで身動きがとれなくなった。

    巨大な顔だった。

    20代くらいの男の。

    髪は変な髷を結っていて、
    じーっと俺らの方を見てる。

    その表情が段々と怒りに歪んできて、
    なんか変な言葉を家が揺れるくらいの声で叫んだかと思うと、
    地鳴りと共に窓から消えた。

    もう俺も従兄弟もビックリして、
    すぐに隣の部屋で寝てる爺ちゃんの所に駆け込んだ。

    そしたら、

    「おお、ヤマナリさんが来とったな。
    また明日**に酒とか供えに行かないかん。」

    とか落ち着いて言ってた。

    次の日、顔があった窓の外見たら、
    窓の周り広範囲にわたって草がなぎ倒されてた。

    そこに巨大な何かが置かれてたみたいに。

    叔父が迎えに来た時に、

    「ヤマナリさんって何?」

    って爺ちゃんと叔父に聞いたけど教えてくれなかった。

    今も、盆とかに親戚で集まると、
    従兄弟とその時の話題になる。

    ちなみに爺ちゃんはもう亡くなっていて、
    その時の事を聞けない

    爺ちゃんの息子の叔父や親父も、
    小さい頃からヤマナリさんについては、
    爺ちゃんは何も教えてくれなかったらしい。

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