俺の実体験でも書き込ませてもらおうか。
厨房の頃の話。うちさ、貧乏なんですよ。
家が狭いんで一家四人で川の字+┃(4人だからね)で寝てたんです。寝室は二階の一室。
8畳間かな。その日は姉と母がケンカしまして、姉は一人で一階の居間で寝ていたんです。
俺と弟と母ちゃんは寝室で寝てました。深夜のテレビでは「ヘル・レイザー」を放送していて、それを見ながらまどろんでました。
そのうちにマジで寝てしまったんです。しばらく経って金縛りにあいました。
夏だったんですが、変に寒い。外気は蒸し暑いのに、体の芯は冷えているような、妙な寒気を感じました。
暑いのに寒い。それに息苦しい。
ふと、部屋の隅を見ると、そこにはでかい足踏みのミシンがおいてあったんだけど、そのすぐ手前に影が見えました。女の影です。
「うわ~!ヤバイヨヤバイヨ!」とか思ってると、フッと金縛りが解けました。まるで悪い夢から覚めたような感じです。
テレビを見るとまだ「ヘル・レイザー」がやってました。その時俺が心配になったのは下で寝ている姉のことで、母ちゃんに今あったことを話しました。
すると母ちゃんが姉を呼んでくるように言ったので、弟と俺で呼びに行きました。すると、姉が酷く驚いた様子で「今、仏壇の上に男の子が座ってたんだよ。
恐いと思ったらお前らが来たから何で分かったのかな~と、思った」と言ってました。俺はびっくりしました。
まさか家族のうち二人が、ほぼ同時に、でも別の場所で何者かの影を見るなんて!それで仏壇を見たんですが、その時は何も見えませんでした。姉は俺たちが階段を下りる音がしたのと同時に男の子は消えたと言ってました。
それで、仏壇を見て気が付いたんですが、家の仏壇、部屋の隅にあるんです。居間の真上はちょうど寝室に当たります。
つまり俺が見た女の影と、姉の見た男の子は一階と二階の、ちょうど同じ場所に現れたんです。結局何もされなかったし、ただ、「見た」ってだけなんですが。
だいぶ前の話なんですが、このシチュエーションが気になって未だに鮮明に覚えています。この一件以来「ヘル・レイザー」はトラウマです。