高2の夏。
俺、たける、信二、恭介、ようこ、やすこ、そして雅人の7人は放課後の教室で「こっくりさん」をしていた。もちろん7人共そんなものを信じてはいないし、どう考えても誰かが力を加えて動かしていることが明らかだった。
それでも7人はクラスメイトの事を「こっくりさん」に尋ねていた。ちょうど5人目の平岡加代子の事を尋ねていたときだった。
加代子はクラスではいじめられている人物で、皆からばい菌扱いされていた女だった。数分間彼女の質問を続けたそのとき、忘れ物を取りにきた加代子がおもむろに教室のドアをあけ「なにしてるの~」と笑顔で立っていた。
その顔を見るや一同、叫び声をあげ、ようこに至っては気を失ってしまうほどの恐怖がそこにはあった。教室の入り口でこちらを見る加代子の顔は唇が裂け、目が釣りあがり、二ィッっとわらったいた。
窓からの夕日が加代子の顔を斜めに横切りそれはまさにこの世のものとは思えない恐ろしい顔であった。あわてた雅人は「こっくりさん」を二つに裂くと加代子の顔は元のとおりとなった。
いまでも忘れないあの顔を・・・。