まだ実家に住んでた頃の話。
高3になってすぐ、春だか夏だかの週末だったと思う。自分の部屋って割と大きいから壁の1面は本棚で埋めてたのよ。
軽く小さな古本屋やれるくらいの量。田舎だったのもあって外に出るよりは家で本読んでる事のが多かったんだけどその日は本当に狂った様に本読んでたのを覚えてる。
シリーズ物の小説を初めから終わりまで読んでて、次の巻をとろうとしたんだと思う本の入ってた隙間から凄い楽しそうに笑うお面が覗いてた。驚くって言うよりも呆気にとられて持ってた本を落として、その音と同時に消えた。
「うわあ・・・」って感じで本そのままにして親の居る部屋に行ったら、「友達来てんのか?あんまり騒ぐなよ」って言われた。ウチの構造上、2階に上がるには居間通らなきゃなんないし、何より朝から一人だったんだけど。
音楽もかけずに静かにしてたよ、って言ったら「なんか大声で笑ってたじゃん、独り言多いよ」とか言われた。さっきの気持ち悪い笑顔思い出して鳥肌立ったから問いただしてみたら結構前からそういう事あったらしい。
PCは家族と共用だから別として自分の部屋に独り言言う様なもんは無いし当然、本読みながら突っ込みいれるタイプじゃない。きもちわりーなと思ってさっき見えた事話したら、親父が思い出した様に話してくれた。
昔、ウチにはずっと伝わるお面があるらしい。俺がさっき見た様な笑ったお面。
子供の頃見せられて大泣きしたからしまってあるとか言ってた。しかもしまってあるの俺の隣の部屋なんだよね。
怖いから親父と一緒に見に行ったら埃被った桐の箱の中に入ってた。灰色がかかったクリーム色のニタニタ笑ってるお面。
触ったり裏面見たりしたけど本当に気持ち悪い。何ていうか夜中一人でに浮き上がってそうな。
桐の箱が置いてあった棚は俺の部屋の本棚の裏。なんか因縁めいてるし怖いからいわくでもついてんのかと思って聞いたけど知らんって言うし。
親父が子供の頃からあったらしい。結局俺が燃やしてもいいかって言ったら近所の神社だか寺に供養してもらうっておかんが持ってちまった。
その後どうなったんか知らんけど住職さんは御神木から作ったお面だって言われた。余計なもん作りやがって本気で気色悪かった(((;゚д゚)))ごめん、中途半端になったね。
これで終わりだけど寺に供養?してもらってからはもう見てないです。っていうか本棚の本整理して代わりにPC置いた。