一応実話という事で聞いた話ですが、真偽のほどは定かではありません。
昔佐賀県の某所で身寄りのない老夫婦が住んでいました。夫婦は猫が大好きで、飼い猫のみならず野良猫の世話までするほどだったそうです。
ある日お婆さんが亡くなりました。お爺さんはその後も一人で猫の世話を続けましたが、やがてお婆さんの後を追うように亡くなったそうです。
その後家は人手に渡り、父母娘の三人家族が移り住んできたそうです。しかし、このお父さんが大の猫嫌い。
やっとのことで手に入れたマイホームが、まさか猫の溜まり場になっていたとは知らなかったようです。夜な夜な餌を求めて家の庭に集まる猫に、最初は家族の声もあってお父さんは我慢していました。
しかし、餌を与えないのに猫は一向に庭に集まることをやめません。ついにお父さんは堪忍袋の緒が切れてしまい、数匹の猫を生け捕ると生きたまま焼き殺したそうです。
これには母も娘も激怒しました。しかしお父さんは家族の声に耳を貸そうとしません。
また猫を数匹生け捕りにすると、生きたまま焼き殺すという非道な行為を行いました。そのお陰か、ある日を境に猫は一匹も家に近寄らなくなったそうです。
家族からは散々非難されましたが、お父さんはご機嫌です。ある日の朝、お父さんと娘が一緒に家を出ようとしました。
娘が先に家を出ようとしたとき、ふと家の中から猫の鳴声を聞きました。不思議に思った娘は、家の中に引き返します。
その間にお父さんは支度を済ませ、会社に行こうと玄関を開けました。すると玄関からお父さんの悲鳴が聞こえてきました。
慌てて玄関に駆け寄る娘と母。そこには猫に喉笛を食いちぎられたお父さんが横たわっていたそうです。
娘の話では、その喉笛を食いちぎった猫は、確かに笑ったと言います。お父さんは救急車で運ばれていきましたが、出血多量が原因で亡くなりました。
お父さんが流した血は、乾くと猫のように見えたと近所の人はそう証言していたそうです。この事件は大きな騒ぎになったそうですが、不思議と地元のメディアは取り上げませんでした。
佐賀県という場所柄か、猫の話はある種のタブーのような扱いだったそうです。その話をしてくれた本人に何故メディアが取り上げなかった話を知っているのかと尋ねた所「わしが調べた事件だからさ」と、今は亡き祖父は笑って話してくれました。
信じられないような話ですが、祖父が嘘を言っていたとも思えません。佐賀県にお住まいの方でこんな話を知っておられる方はいませんか?