友人Mは昔「視えるひと」だったらしく、それに関する怖い話を教えてもらった。
消防のころ彼女はバレーチームに入っていて、Sという子とは特に仲が良かった。そのバレーチームが地区優勝し、打ち上げに川原でバーベキューをすることになった。
もちろん川からなるべく離れ、子供は川に近づかないようにきつく言われたそうだ。その最中、Mは川の中に「白いもの」が見え、Sちゃんにそれを教えたらしい。
そしてバーベキューが終わり後片付けが始まると他の子供が「Sちゃんがいない」と言い出した。慌てて大人が探すと、頭だけを水の中に沈めたSちゃんが見つかった。
病院に運ばれ助かったが、その後学校にも来ず引っ越してしまったそうだ。そして最近、社会人になったMにSちゃんが連絡を取ってきた。
会って話そう、という事でファミレスで待ち合わせをする。現れたSちゃんは病的に細く、冬にかかわらずかなりの薄着でMは不審に感じたそうだ。
そして話すことは当然転校のことになる。すると彼女は突然お礼を言い出した。
困惑するMにSちゃんは自分が霊媒師をしていること、霊の存在を教えてもらったおかげで能力がそなわった、所属するグループの中で自分は高位に数えられている、などペラペラと喋ったそうだ。カルト教団の勧誘だと思ったMはすぐに帰ろうとした。
するとSちゃんが「帰りに○×駅の二番ホームで線路を覗き込んでいれば貴方にとってとても喜ばしいことが起こる」と言いニィッと笑った。Mは諭吉を置いて逃げ帰った。
それ以来Sちゃんから電話はかかって来ないそうだ。もちろんそれ以来その駅は利用しないようにしているとか。