俺の中学14の時の体験(これが怖い体験初体験でした)夜中普通に寝てたんだけど金縛りがはじまった。
当然金縛りなんて初体験だからメチャクチャパニックで「ウワァ怖ェェ、目開けたくないー」とか色々思いながら頭の中で祝詞なんかも唱えてみた(w(死んだ爺ちゃんが子供の頃毎日神棚に唱えてたんで少し覚えてた)でそうこうしてる内にいつの間にか指先が動くんだよね。その頃にはずいぶん落ち着いてたから指先を伸ばして天井から伸びてる電灯の延長紐を伸ばそうとしたんだ。
・・・でもいくら伸ばしても延長コードが無いんだよ。もう金縛りの怖さ忘れて延長コードの事が気になって仕方ない。
で空中で手をまさぐってもやっぱりないんだよ。もう仕方ないから目を開けて電気を点けようと思って目を開けたら目の前に矢絣着たババァが「カーッ」って目を見開いて空中に浮いていた。
今かいてても鳥肌立ってるんだけど。130cm位のババァで顔中皺だらけ、それで目だけが中年のオヤジみたいにギョロッとしてて妙に生気があるの。
「ウワァ~」と思って必死になって目を閉じようとするんだけど閉じれない。さっきまで指先が動いてたはずの体も完璧に動かなくなってる。
「消えろ、消えろ!」とか必死で思ってたら空中をズリズリ這っていくようにして俺の足側にある襖に消えて行った。俺は寝るときは隙間があると怖いんで絶対襖や窓、カーテンはキッチリ閉めるのね。
だから襖の向こうなんて絶対見えないはずなんだけどその時は襖を抜けて廊下を這っていくババァの姿がハッキリ見えた。で安心したのかその後ストンって気を失っちゃったんだよね。
それでしばらくしたら砂利を踏む音が聞こえて「あ、オヤジが帰ってきたんだ」と思って目が覚めたんだ(親がタクシーの運転手で帰ってくるのは夜中か朝だったんで)そしたらまた金縛り…帰って来たのはオヤジじゃなかったんだよね。オヤジなら鍵がかかっているから入ってくる時に「ガチャリ」と音がするのに何も音がしない。
でも廊下に誰か居るんだよ、それが歩き回ってる。また俺はパニック、さっきのババァだったら…つかババァ以外考えられない。
消えた時の「ズッ、ズッ」とは違い今度は明らかに歩いてる音がする。・・・・入ってきたのは下半身だけ。
またそれで気を失っちゃったらしいんだけど。今度は本当の親に起こされた。
「お前、何で毎回電気点けっぱなしで寝るんだ?延長コードの意味無いだろ!」「あ、ゴメン」って寝ぼけながら言ってトイレに起きたんだよね。さっきまでのことなんて夢だと思って意識もしてなかった。
…で用を足して出てきてたら親父はもう部屋に引っ込んじゃってて俺もまた寝ようと廊下から部屋に入ろうと思ったら親父が部屋の壁越しに「今日は売り上げ悪いし、最悪だったよ~」って愚痴るんだよ。その日は金曜で客が多い日(片親だったからその辺の話はよくしてた)だったから「フーン、何で?」って何の気なしに相槌代わりに聞いたんだよね。
そしたら親父が「早番の奴と車洗ったりして出庫に時間かかって一番にいい時間逃しちゃったんだよ~」って言うんだ。「あ~酔っ払いが吐いたの?」って聞いたら。
「いや違うんだけどさ事故で大変だった」って苦々しそうに一言。…事故渋滞かなにかだと思い「フーン」って興味ないから布団に丸まって朝を迎えたんだよね。
・・・・でずっとそのことは忘れてたんだけどさ。2年くらいして親が個人タクシーになってお祝いの集まりに一緒に行ったんだ。
それでその帰りに俺が「無事故・無違反でよく取れたね~」なんて冗談半分で車の中で話してたら親父が神妙な顔になって「本当だよな~、相棒なんて居眠り運転で死にかけたしな…」俺もそれ聞いて急に思い出して「え?それって凄い昔に大変だったって言ってた話?事故がどうとか…」って聞いたら。「あ~それは違う、それは相棒が駅の踏み切りで停車してたら夢遊病のおばあちゃんが飛び込んだんだ。
それで血とか掛かって最悪だったんだ…ボンネットの隙間に薬の袋も引っかかっててさ…」「え!そのお婆ちゃんって矢絣着てなかった?」って聞いたら「服装なんて知るかよ、俺は必死で洗車・・・おい矢絣ってこういう模様か?」って親父がペン持って書いた柄がまんまその模様。「ソレだよ、ソレ」「…・・・薬袋が全く一緒の柄だった、俺それを地元の交番に届けるために持って帰ってきてた」(あとから聞いたんだけど事故現場と俺の家は10km位の近距離だったらしい)冗談抜きでそのババァ自分の薬袋探して家まで先回りしてたとしか思えなかった。
でも何で電気点けさせなかったんだろう…。