電車内。
満席で、どこにも座るスペースがなかった。しかたなく、開閉ドアの端に背もたれて、カバンから週刊誌を取り出そうとしたとき、視線に気付いた。
これは実話ですし、なんの脚色もありません。ありのまま投稿いたします。
また、時刻などが定かではなく記憶の届く範囲で書き込みます。その時の状況も、座れないでいる人間が私一人であるということそして、席がほぼ満席であると言う事をのぞいて、覚えていません。
視線の主がわからない。しかし、気にするほどの事でもなく、再び週刊誌に目を通した。
すると、あたりの雰囲気というかすこし空間が「ぐにゃり」と歪んだような気がした。その時、瞬時に「ヤバイ」と感じた。
先ほどより強烈に視線を感じ一つ向こうの座席シートにいる、うつむいた少女(13~14歳ぐらい)に気付いた。こうして投稿している今も、鳥肌がたち、背筋が凍り付いています。
少女はうつむいていたので「彼女かな?」と思いましたが、それでも何と言う事は無く、変な気持でいた。週刊誌を読んでいるのか、何を読んでいるのかわからない感覚でいたが、今度はすぐ耳元で囁くような声がきこえた。
「○○○○○は・・・○○○ぞ!」
今思うと、日本語なのかわかりません。そして再び少女の方をみると、うつむいていた少女が上目使いで私のほうを凝視している。
私は怖さで目をそらせずにいたら、少女がうつむいたまま、ニタ~と口元をほころばせた。それでもその目はぎょろりと怒りのような表情で私に向けられていた。
腕の極端に細い、髪の長い、色の白い・・・。そんな印象を記憶しています。
目的の駅に降り、駅の階段を降りる際ホームの方を振り返りました。ホームの真ん中に佇むその子は怪談を降りる私の方をやはり凝視しており、私はあしがすくみしばらく呆然としていると、突然、少女が私のほうへ全速力で走り出しました。
当然、改札に向って逃げ、タクシーを拾いその場を離れました。細かいところは憶えていませんが、それもそのはず。
あの時は周りを見る余裕なんてなかった。