洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】荒々しい音

    2024/06/20 18:00

  • ガキの頃、夏休みに連れと自転車で自宅から10㎞程離れた森林にカブト探しに行った。

    あらかじめ、クヌギの木にバナナや蜂蜜を塗っておくために、初日は夕方の七時ごろに行った。最初のうちは明るかったが、三十分も経てば暗くなってきたから、適当に作業を澄ませ、山から出ようとした。

    連れと「明日、カブト獲れるかなぁ?」とか話ながら下山してると、山頂から凄い勢いで走ってくる足音がした。『ダダダッ、ダダダッ、ダダダッ、』まるで馬のような感じで。

    俺と友人はビクついて振り向いたが、何も居ないし、その足音も聞こえなくなった。「今、すげぇー足音しなかった?」っと友人が聞いてきた。

    「うん!聞こえたよ」と答えた瞬間、再び足音が、『ダダダダダダダ!』今度はかなり荒々しい音で俺たちに近いところから聞こえてきた。振り向くと、両目をありえない程見開いて、口元から20㎝程の長い舌を垂らした女が、だらしなく伸びた髪を振り乱しながら、俺たちを凝視しながら横走り(蟹走り?)してきていた。

    俺たちは恐怖のあまりに声も出せずに一目散に走って逃げた。20m程走って振り向くと、その女は居なかった。

    何をされた訳でもないが、それが今までで一番恐い思い出だし、虎馬で山が恐くなった