その日は確実に来るという予感があった。
なぜなら2週間くらい前から毎日毎日ちょっかいを受けてた俺は、寝る前から変な空気というか、独特の重い雰囲気ってのを感じ取れるようになってたから。気を紛らわす為に、適当にCDをかけてから床についた。
確か時間は1時くらいだったように思う。「仕事のためにどうしても早く寝ないと・・・」そう意識しても簡単に寝れるような雰囲気ではなかった。
どこをどう向いても視線を感じるのである。以前にもこのようなことがあったが、今回はそれを上回る気配。
どうやっても寝れそうになかった。それでもしばらくするとウトウトし始めた。
だが、次に意識がはっきりしたときには金縛りの状態であった。金縛りにはしょっちゅうなっていたから、特に驚くこともなかった。
しかも、寝る前にあのような気配しかなかったのだからどうしようもない。「どうでもいいから早く寝させてくれ・・・」と自暴自棄になりながら、この状態に身を任せる俺。
しばらくすると目を開けられることに気がついたので、とりあえずと思い、おもむろに目を開けてみる・・・。すると天井にじっと佇む二つの目。
しかも、じっとこちらを見て視線を外さない。一瞬、何がおこったか全くわからず、ただ呆然とそソレと視線を合わせる。
すると・・・間違いなくこっちを見ながら笑うソレ。パニックになった俺は視線を左側に移す。
するとどうだろう?電源が切ってあるはずのテレビに何か映ってる。よく見ると、人一倍大きい目がこちらを見て笑ってる・・・。
とりあえず視線を外そうと天井以外のところに目をやると、そこら中に目が浮かんでる!あまりの怖さに目を閉じると、「ククククク・・・」と女の声があたりに響き渡る。そこで意識を失ってしまった。
次に目を開けた時にはまだ1時30分だった。再度寝付こうとしても、先ほどのことがあって簡単には寝られない。
ようやく寝付けたのは3時を回る頃。次の日の仕事はあまり手につかなかったのはいうまでもない・・・。