小学生の時の話三・四年生くらいだったかな。
担任の先生(男)が、今でいう体罰教師ってやつだった。男女かまわず殴られた。
大嫌いな教師の一人だった。だけど、時々してくれる恐い話が面白かった。
先生は、いつも話の最後に、「俺は霊がみえるんだ」というのが恒例だった。ある日、俺は夕方近くまで学校にいた。
下校時刻の放送が流れたんで、あわてて帰り支度をして誰もいない、夕方の廊下を歩いていた。すると正面の曲がり角からボソボソ人の声がした。
なんとなく担任だって分かったんで、俺は非常口の陰に隠れてやりすごすことにした。(その日、怒られたばっかりだったから。
気まずかった)先生の声が近くに聞こえる。すごく優しい声だったから驚いた。
なんとなくだけど(帰りなさい)とか(一人でいけるか)とかいっていた。陰からみると先生以外だれもいない。
先生は、一人で話していた。先生は、理科室のドアをあけると、手で誰かを招くような、背中を押すような仕草をしたあと、一人で理科室に入っていった。
俺は恐くて上履きのまんま非常口から出て、そのまんま家に帰った。もう十年以上前の話。
先生は【見える】人だったのかなぁ。