京都某マンションでの実話です。
割と便利な場所で、1DKで家賃4万。保証金なんかも安かったと思う。
最初はラップ音だった。荷物は少なかったから連れに手伝ってもらうだけで終わった引っ越しだった。
ありがとなーなんて話してる時に、車のタイヤがパンクしたようなパーンという音が。その時、連れの一人は感付いたらしいが俺含め他の奴等はビクッとして笑い話になっただけだった。
その後2~3ヵ月、普通に生活した。ある日風呂に入っていると玄関を激しく叩く音がハッキリと聞こえた。
あまりに激しいので何かあったのかと慌ててバスタオルを腰に巻き付けただけで玄関ドアを開けた。開ける直前までハッキリと聞こえた。
もちろん、誰もいなかった。それからだった。
鈍感な俺でさえ、そうなのか?と思う出来事が始まったのは。ドアを叩く音は子供のイタズラ程度にしか気にしなかった。
たぶん、その日の夜だったと思う。夜中に急に目が覚めた。
時計を見ると2時だった。もう一度寝直そうと寝返りをうつと何やらボソボソと話し声が聞こえてきた。
俺は隣のヤツだろうと気にしなかった。その日は普通に眠ることができた。
次の日。また2時だった。
今度は話し声で目が覚めた。明らかに昨日より大きな声で喋っている。
無神経な俺もさすがに寝付けなくて3時を回った頃に隣に小言を言いに行った。ドア越しに「すんませ~ん!何時や思うてんの!うるさいし静かにしてや!」誰か出てくるか?と思ったが誰も出てくる気配がなかったし、話し声も聞こえなかった。
安心した俺は部屋に帰り、眠りについた。次の日、引っ越しを手伝ってくれたまぁ霊感をもっているヤツと飯を食いに出かけた。
すると連れは話にくそうに「何かあったらなんでもええしお経唱えや」と言った。話の辻褄が合わない急な事だったし、ビックリした。
長くなりすぎるので省略するが、生気が吸い取られているらしい。飯の帰りに不動産屋に立ち寄り、隣のヤツの苦情を行ってやった。
俺には意外な返答だったが、予想どうり?言葉を濁らせながら空室である旨を説明された。俺の部屋は角部屋だったから隣は一つだけだった。
昼間の連れの事、不動産屋での話、少し不気味になってきた。その日は少しビビっていて中々寝付けなかった。
寝返りを繰り返し、何とか寝ようと試みた。そして何とかうつらうつらとし始めた時だった。
何か冷たい物が足の裏に触れた。ピクッとなって起きた。
すると例のブツブツ言う話し声が聞こえてきた。ビビる俺。
しかし、普通に誰かが喋っている声にも聞こえる。確かめようと壁に耳を当ててみた。
その瞬間、冷や汗が全身から吹き出し、体が動かなくなった。壁側にはタンスがあったのだが、俺が耳を当ようとタンスの方を向いたら、壁とタンスの隙間10センチ程のところに…誰かいた。
明らかに俺を睨み、何かブツブツ言っている。動けないのは腰が抜けたからだった。
時折ニヤリと笑っているようにも見えた。俺はとりあえず知ってる限りのお経を口走った。
目を閉じ、一心不乱に。どれくらい時間がたったかはわからない。
目を開けるとソレはいなかった。ホッとした。
次の瞬間、「聞き飽きたんだよ」ハッキリと耳元でそう聞こえた。俺は気絶し、気が付いたらそのままの状態だった。
一応、一番ビビった実話です