洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】6時半

    2025/12/13 09:00

  • 中学の修学旅行で、京都に行った。

    女子の部屋は恋愛話で盛り上がり、
    寝たのは深夜2時半頃だった。

    自分は枕が変わるとなかなか寝付けないタイプで、
    3時過ぎまで「眠いのに眠れない」状態だった。

    やっとウトウトし始めた時、
    隣に寝ていた子がモゾモゾと動き出した。

    「…、大丈夫…、…違うけど…」

    ごにょごにょと寝言まで言い出した。

    あ~、また眠れなくなっちゃう!
    と耳を塞ごうとした瞬間

    「6時半ですね。はい、わかりました。気をつけます」

    と、彼女がはっきりと言った。


    寝言なのに、
    冷静でかしこまったような口調に
    意味もなく鳥肌が立った。

    翌朝、6時に起床した私達は
    眠い目をこすりながら布団を畳んだり、
    着替えたりしていた。

    今日の予定などを楽しくおしゃべりしていると、
    突然外から

    「ボンッ!!」

    と謎の爆音。

    びっくりして部屋のカーテンを開けると、
    ホテルの前の大通りで車が炎上していた。

    当然、私たちはパニックになり、
    教師の元へ走って行った。

    聞こえてくるサイレン、
    ホテルのアナウンス。

    とりあえず落ち着こうと、
    友達の手を握る。

    昨夜寝言を言っていたあの子の手だ。

    「…6時半、ぴったり。」

    彼女はそう言ったあと、
    驚いている私を見て苦笑いした。

    15年経った今でも友達だが、
    あの時の事を聞いてもただ微笑むばかりで
    何も答えてはくれない。