まだぼくがしょうがくせいだったころ、地元の駅である少年と出会った。
その少年の家は家からずっとずっと離れたところにあり(場所不明)、今考えてもどういうつながりで友達なのかは分からない。でもすごい仲のいい友達だったのは確か。
そして僕は少年に聞いた。『どないしたん?何でここにいてるん?何かの用事なん?ひとりで来てるん?』少年は答えた。
『…ちょっと家のことで来てるねん・・・』僕はどうしても気になって続けて聞いた。『理由を教えてよ。
家でなんかあったの?なぁなぁ!』少年は何も答えようとせずうつむくばかり。『なぁなぁ・・あかんの?いわれへん理由あるん?』少年はボソッと答えた。
『・・・うちのお父さんの事やねんけどなぁ・・・49歳までしか生きられへんねん・・・んでなぁ~なんとかできへんかなって思ってここにきてんや・・この話聞いたから君のお父さんも49歳なったら死んでまうかもしれんから気つけてな・・・じゃあ行くわ・・』僕は気になって聞いた。『ホンマなん?それ?』少年は答えようとせず歩いていった。
さすがにその日は少年に言われた事が気になったが日がたつにつれて忘れていった。それから何年もたち、高校の修学旅行の最中うちの父親が死んだ。
理由は急性心不全。享年49。
その時に思い出した。あの少年の話を。
いまだに誰かわからないあの少年の事を。