洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】「なあ、見て」

    2024/08/26 21:00

  • いつも屋上で一緒に昼飯を食ってる友達が、授業の延長か何かで、いつもより遅れた。

    屋上にはオレと、もう一人、携帯で話してる女子だけ。上履きが緑色ってことは、オレより2つ上だ。

    どこと無くノーブルな感じの背の高い子で、ぶっちゃけ凄い好みだった。じっと見るのも何なので、こっちも携帯をいじるフリをしながらチラチラ横目で見ていた。

    と、そこに本当に友人からのメールが来てしまった。「今日、○○(俺の名前)ん所で食お」仕方なく返そうとして、暫くその女子から目線が外れた。

    「なあ、見て、○○」・・・へ?オレの名前?振り向くと、さっきの女子がじっとこちらを見ていた。金網を登りながら。

    「ちょ、な、何してんねん!!」駆け寄ろうとした瞬間、彼女は金網の一番上から、つるん、と身を投げ出した。前回りの様に。

    何がなんだか分からなくなって、足が動かないまま、開きっぱなしの口を閉じることもできなかった。一拍の後「人、とにかく人を呼ばんと!!」そう思って入り口の方に向き直った時。

    「なあ、見て」はっきり聞こえる、女の声。「なあ、○○、なあ」「なあ、○○、見て」「なあ、○○、なあ、見て」「なあ、なあ、見て、なあ、なガチャ目の前のドアが開き、向こうから女子の4人組が現れた。

    立ち尽くしているオレを見て、微妙な顔をしていたが、オレの横をすれ違うと、そのまま皆で座って喋り始めた。足がガクガクしてるのを必死で隠して、教室に戻ると友達はもう前で待っていた。

    震えを我慢した腕で弁当を無言で渡すと、窓からそっと下を見てみた。何もない。

    そのまま正面を向いた。目は合わなかった。

    しかし、足は見えてしまった。緑色の上履き