現在、俺は施設に勤めてる。
すぐとなりは精神病院でそこが親になってるわけだがこの施設の作りが立方体っていうかちょっと昔の小さい病院ぽいつくりになってる。一直線の廊下の両脇に部屋が並ぶ感じで両端は非常口になってる3階建てのやつ。
ここはいわゆる霊道っぽい…以前に夜勤の時に片側に洗濯物干すスタンドおいたら廊下中がモヤみたいので一杯になった。どうやら通行の邪魔だったらしい。
そんなある日の夜勤の事、巡回中にモヤのようなものや視界の隅でちょろちょろ動くものが見える…まあ、これはいつもの事だがその日はひとつだけ違った。子供だ…この施設や隣の病院の性質上年寄りのほうが多い。
てか子供なんて見たことない。(子供はやばいっていうしな…。
)俺はいつものごとく見えないふり気づかないふりをした。巡回が終わり俺は詰め所で夜勤記録を書く…カウンターで仕切られてるだけで廊下に剥き出しに近い状態だ。
背を向けるのもいやだったのでチロチロと目だけでそっちの方を見てみる。女の子だ…5,6歳の…それもかなり昔のかっこっぽい非常口に近い側でうろうろしている…なかなか動こうとしない。
こっちの様子を伺ってるようだ…。(あきらめろ…見えてない…俺は気づいてない…?)その瞬間…滑るような速さで子供がこっちに向かう…ものすごい速さだ。
…テーブルから顔をのぞかせるようにこっちを見ている。俺もだ…目を…合わせちまった。
その子は俺が見えてる事が分かると安心したのか廊下にもどりいつのまにか消えていた。そして夜勤明け…ボウッとした頭でアパートのドアを開けた俺の耳に「オ・カ・エ・リ・ナ・サ・イ」小さな子供の声が響いた…。
まあこれが2年位前…。ぶっちゃけ俺は離婚暦がありちょうどその位の娘がほんとならいた。
多分、父親の雰囲気みたいなものがあったんだと思う。それからしばらくは姿は見えないが傍に置いてたものがいきなり無くなってたり訳わからん場所で見つかったりとか続いた。
PCのモニターに置いてたライターがいくら探しても見つからず何日かたってからテーブルのど真ん中におかれてたりとかあとドアをきちんと閉めなくなった…なんでかどこもわずかに開けっ放しで歩くようになった。まあ最近はだいぶ収まったのでいなくなったのかなと思うのだが・・・。
今日、休憩室で一人で休んでいたとき耳元で声がした。「チュー」不意にズボンのすそがバタバタ動いた…ネズミ???どこにもいない…そもそもネズミはチューって鳴かない。
そいや春からハムスターを飼い出したんだよな…。もしかして…まだいるのかな?