夜中、ある青年は、脅迫神経症の症状がひどく眠れないため、気分転換に、近くの、海岸の隣の歩道を歩いていました。
すると海の方から、かすかに拡声器からのような女性の声が聞こえました。見ると海にぼぉーときれいな金色の光が見えました。
それで不思議に思い、浜に降りていきました。するとその声が「あなたはここにいますか」「あなたはここにいますか」と、ずーっと繰り返されているのが聞こえました。
そして仏像の形をしたモニュメントのようなものが、海の上に立っていて、ぼぉーっと金色に光っているのが見えました。しかし、しばらく見ていると、それは手や体がぐにゃぐにゃ動いていて、そして土台かブイに支えられてないらしく、こちらに近づいているようでした。
その瞬間「これはまずい」と思い、急いで元の歩道の方へ走りました。すると「あなたはここにいますか」「あなたはここにいますか」と、女性の声がどんどん大きくなりました。
振り向くと仏像のようなものは、浜の上を動いていました。青年は、もう間に合わないと思い、その通り「はい」と答えようと思いました。
しかし引っかかることがあり「いいえ」と答えました。すると女性の声は止み、仏像のようなものは消えていました。
そしてここは浜の上でなく、青年は胸まで海に漬かり海の深くなる方へ進んでいました。