洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】そいつは○○○○って名前じゃなかったか?

    2022/12/26 16:21

  • 学生の頃の話です。

    夏休みのバイトで、内装の軽作業をやることになりました。ある田舎町に新規開店する、スーパーの棚の搬入作業です。

    二日間のバイトの予定が、天候や事故などのトラブルで、三日に延びました。オープンまで時間がないということで、最後は徹夜作業でした。

    バイトに残ったのは、僕と友人、フリーターらしき男3人。深夜便のトラックを待つ間、作業責任者は僕らに仮眠をとるよう言ってきました。

    売り場にダンボールを敷いて、それぞれが寝付いたのは、12時を過ぎた頃でしょうか。僕が悪夢にうなされて目を覚ますと、傍らの友人はうめき声をもらしていました。

    どうやら金縛りにあっていたらしいです。僕が友人をゆすって起こすと、彼は小さな悲鳴をあげて生還しました。

    「なんか中年のおっさんがのしかかってきた」彼は初めての体験だったらしく、かなり動揺してました。「そいつは○○○○って名前じゃなかったか?」僕は咄嗟にそう尋ねました。

    僕が見た悪夢は、その名前の中年男が殺されるものでした。何者かが馬乗りになって、刃物を突き立てているシーンが脳裏に焼きついていました。

    「何だよそれ」友人と僕は、今しがた起こった事を、興奮しながら語り合いました。そして、少しはなれて寝ているフリーターを目で探しました。

    彼も同じような目にあっているのでは、と思ったからです。バイトの間、彼とは個人的な会話はなかったです。

    どうやら失業中で、求職中とのことでした。顔色が悪く、病み上がりのような感じもしました。

    その彼は姿が見えません。作業責任者が僕らを呼びにきた時も、彼は現れませんでした。

    結局彼は失踪しました。今となっては、あの夜の出来事が何だったのか、想像するしかありません。

    ○○○○という名前だけが、これからも記憶に残るのは確かみたいですが。