数ヶ月前に突然子供の頃の記憶がよみがえったんだ。
3歳くらいの俺が、じいちゃんの家の茶の間で、
一人で泣きながらご飯を食べている記憶。
外は良い天気で人の話し声も聞こえるのに、
家の中はひんやりとしていて薄暗く静まり返っている。
自分だけが全ての世界から隔離されてるような、
物凄い孤独感があったと記憶している。
俺の頭と左足には包帯が巻かれているんだけど、
痛みは感じなかった。
とにかく物凄い孤独感と言うか喪失感があって、
「ごちそうさまでした」
と言った途端に大声で泣いてしまった。
そこにじいちゃんが走ってきてくれて、
ちょっと安心すると言う記憶だった。
何気なく母親に
「子供の頃こんな事あったっけ?」
と聞いたら、
それはたぶん家族で事故に巻き込まれて
じいちゃんの家に泊まっていた時の記憶だろうと。
母親は入院して、
父親は怪我が軽かったから仕事に行っていて、
俺は学校を休んでじいちゃんの家に
預けられて居た事があったようだ。
言われてみればそうだったような気もしたので
「良くそんな小さい頃の記憶が残ってたなぁw」
と話したんだけど、
母親は面白がったのか
「その頃の記憶って他にもある?」
と結構しつこく聞いてきた。
他には何も思い出せなかったから
「いや、他には何も。」
と言うと
「思い出したら教えてね」
で話は終わった。
ただ、最近になって思い出した事があるんだ。
確かに事故はあった。
でもその事故で、
俺の母親は死んでしまったんじゃなかったっけ?
じいちゃんの家で葬式を出した記憶もある。
子供の頃の記憶だから、
ばあちゃんが死んだ時と記憶が混じってしまっただけだとは思うんだけど・・・
母親がなんであんなに子供の頃の記憶について
しつこく聞いてきたのかって言うのもすごく気になる・・・