洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】カードの予言

    2023/07/31 09:00

  • これは私が友人から聞いた話です。

    彼女が中学生だった頃のある日、母親と一緒に親戚の家を訪ねました。そこには二つ年上の従姉妹がいて、とても仲が良かったそうです。

    彼女は従姉妹と会うのを楽しみにしていのですが、その日は部屋にこもって、なかなか顔を見せなかったそうです。しばらくして従姉妹が姿を現し、彼女に自分の部屋に来るよう手招きしました。

    ちょっと深刻な様子だったそうです。部屋に入るなり、従姉妹は彼女にある封筒を渡しました。

    そして、「これをしばらく預かってほしいの」唐突に言ったそうです。封筒には従姉妹が書いたらしい日付が記してあり、「再来年のこの日まで。

    それまでは絶対に開けたりしないで・・・ただ、私に何か起こったら」従姉妹の真剣な表情に、彼女は不安を覚えました。封筒の中身と、預ける理由を知りたかったのですが、「いつか全部話すから、それまでは二人だけの秘密にして」と、逆にお願いされる形になり、彼女は押されて納得したと言います。

    友人はしばらく気にかけていたそうですが、受験や高校入学などがあって、ほとんど忘れかけていたそうです。また、従姉妹も進学で他県へと離れ、なぜか一年近く会わずにいたある日、彼女は学校から帰るなり、母親から聞かされました。

    従姉妹が心臓麻痺で亡くなったことを。友人はかなりのショックを受け、呆然自失のまま葬儀に立会いました。

    そして、ようやく悲しみを実感する頃になって、あの封筒の事を思い出したそうです。不吉な予感は的中し、従姉妹が亡くなった日の日付が目に飛び込んできました。

    彼女は震えながら封を開けると、そこから一枚の紙と、タロットカードらしきものが出てきたそうです。従姉妹が手書きしたと思われる紙には、ある占いの方法が書かれていたそうです。

    カードを切るいくつかの手順と、その並べ方。本人の生年月日やその日の天候なども関係していて、少し複雑でしたが、それによって、ある年月日が導き出されるようでした。

    つまり、その本人の死ぬ日です。友人が手にしたカードは、かなり古いものだったようです。

    絵柄は動物や昆虫、植物などで、タロットとは違うとのことでした。私はそのカードをどうしたのか、彼女に訊くと「多分誰かに預けると思う。

    ずっと先の事になるけど」と答えました。なんでも、そのカードは、託された人だけの予言をするそうです。