友達の彼氏が、急にいなくなりました。
友達は「振られちゃった。」と哀しそうに話しました。
彼がいなくなってから1週間くらいたってからでしょうか。友達から電話が来たんです。
「もしもし?」と電話を撮ると電話口から友達の泣き叫ぶ声が聞こえました「何かあったの?どうしたの?」「血だまりが、血だまりが!!部屋が血だまりなの!!お風呂も部屋も全部!!」「どういうこと?落ち着いて話して!」「彼よ、彼がやったのよ。タバコ、彼のタバコの吸殻があるの」「吸殻?」「それはいいの。
吸殻があるのはいいのよ。きっと私のことが嫌いだからこういうことをしたのよ。
血がまだ温かいの!」そういうと友達は電話を切りました。私はすぐ電話をかけなおしましたが、話中でつながりません。
やっとつながり、私は「大丈夫?なにしたの?」と聞くと「大丈夫、もう片付けたから。」さっきの彼女とは全く違う、冷静な態度でした。
このことから2ヵ月後、友達の彼氏が死体で発見されました。司法解剖の結果、首を吊ったことによる窒息死とのことで、自殺と判定されました。
彼の死体は左手首がぱっくり切られていて、首を吊った状態で発見されたそうです。友達は心神喪失状態でした。
「彼は絶対自殺なんてしていない。何か事件に巻き込まれたのよ。
」友達はそういいました。「何でそう思うの?」「彼の夢を良く見た。
彼は夢のなかで必死に何かを言っているんだけど、何を言っているのか解らなかったの。でもきっと助けを求めていたんだと思う。
彼が夢に出てきた日の朝はね、必ず彼のタバコの臭いがした。今吸ってたのかなって位、臭いが残ってるの。
」そして最後に彼女はポツンと言いました。「あなたは凄い風に巻き込まれているって言われたの。
きっとね、私はもう駄目かもしれない。やっと意味がわかった。
」この言葉を発した後、彼女口を噤んでしまいました。魂が抜けたかのようでした。