俺がガキの頃なんだけど
親が旅行で留守の夜、
窓の外に変なヤツ来た。
一応二本足で立ってて人間っぽいんだけど
知能は低いみたいで
ベタァっと窓にはりついて、
両手でバンバンとガラスをはたいてるだけだった。
そのバン!バン!って音にびっくりして目を覚ましたんだけど
カーテン越しにそいつの影が浮かび上がってて超怖かった。
それ以上にヤバかったのが、
窓の鍵が閉まってなかったこと。
カーテンを開け
窓の鍵を閉める勇気なんか到底無かった事。
布団かぶって姿を隠すしか無かった。
こういう時の布団って異様に心強いよな。
早く朝になれよと思って時計見たらAM2:00、絶望。
ガラスをたたく音がだんだん早くなってきたと思ったら
そいつは今度はガタガタと窓をゆすり始めた。
いよいよヤバいな、
せめて飼い猫だけは逃がしてやろうと身構えた。
だんだん窓がズレていくのが音でわかった、
臭い風も入ってきた
本当にこれまでか、
死ぬのは構わないが怖い思いだけはイヤだ!
と覚悟を決めたところで、
家で飼ってた15歳の老ハスキー犬が
普段絶対に出さないような声で
「オイ!コノヤロウテメエ!」
と叫んだ。
たまたま鳴き声がそう聞こえただけかも知れないが、
その一声で窓の外の変なヤツはどこかへ消えてしまった。
今まで重苦しかった空気がスっと軽くなり、
俺は心底救われたと感じた。
深夜だったが
俺は外にでて俺より年上のデッカイ犬に抱きついて
それはもうすごい勢いで泣きまくった。
犬も俺を待っていてくれたのか
何もいわずに胸を貸してくれた。
そんな命の恩人だった犬も、
高校1年の3学期に母が急死したのをきっかけに
みるみる弱り俺の膝枕の上でその最期を迎えた。
だが、よき兄貴分であったあの犬は、
今でも俺を守ってくれているに違いない。
そう思うと勇気がわいてきて、
どんな困難でも乗り切れる気がする。
いつでもいっしょってこういう事だよな?