洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】天井裏にいるもの

    2023/07/27 21:00

  • 5年前まで俺は、神奈川県の某高校に通っていた。

    通学に時間がかかるので、俺はそこの古い木造の男子寮に住んでいた。寮の廊下を歩いていると、ときおり妙な音がする。

    また、夜中に部屋で勉強をしていると、音がする。天井の上で、ズズーッ、ズズーッと、なにか重たいものを引きずるような音がするのだ。

    ある日のこと、寮の仲間達は体育祭の練習に出かけていたが、俺は少し身体の具合が悪かったので寮の中にいた。すると、またあのズズーッ、ズズーッという音がする。

    普段は気にもとめていなかったが、広い寮の中に一人でいると、妙にこの音が気になる。「よし、何の音か確かめてやろう」俺は懐中電灯を用意すると、部屋の押し入れの天井板をはずし、天井裏へ登った。

    這ったまま、音がした方向へ向かう。だが、しばらくいくと、行き止まりになってしまった。

    木の格子が、行く手を塞いでいる。なぜ、こんなところに木の格子が?「なぜ?」という疑問は残るが、格子の向うへいけないのなら、これ以上は調べようがない。

    しかたなく、俺は格子のすきまから懐中電灯をさしこみ、向う側を照らしてみた。すると、格子の向こうの、ほこりが積もった天井裏に、何本も帯の様なあとがついている。

    何かを引きずったあととしか思えない。ゾクッと背中に悪寒が走り、俺は慌てて自分の部屋へ戻った。

    その後、何度かあの音を耳にしたが、二度と天井裏へは入らなかった。