洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】子供だけに見えるもの

    2024/10/28 18:00

  • とある駅ビルのカフェレストランで昼食をとっていた時のこと。

    食事もほぼ終わり、セットのデザートが出された頃、女性2人と子供2人の4人連れが入店してきた。女性達は主婦仲間なのか、畳んだベビーカーを引いていて、子供は3歳くらいの男の子と、1歳くらいの女の子。

    あまり子供が好きじゃない私は、こっちの席に来て欲しくないな・・と思っていた。しかしその願いもむなしく、店員は私の斜め後ろ辺りの壁際の席を案内し、4人はそこへと歩いてきたのだが、その途端、唐突に子供が泣き始めた。

    私はそちらに目を向けるのも嫌だったのだが、声から泣いてるのは男の子だと分かった。突然堰を切ったように激しく泣き出し、何かを嫌がっているようだった。

    しまいには、「こわい~~~!!」と大声で泣き、母親たちも困惑している様子。私はそれでも無視していたのだが、ついに耐え切れなくなり、その親子連れへ目を向けた。

    すると、母親に抱きかかえられた男の子は、案内されるはずだった席の上方を指差して、「やだ、こわい~~~!!」とひどく怯えていた。この店内には洒落た絵画などが飾られていたから、きっと変な絵でもあったんだろうと、指差す方に目を向けると、そこにはただ、真っ白な壁があるだけだった。

    しかし男の子は、母親が一歩でもそこへ近付こうとすると、より一層激しく抵抗する。背筋に何か冷たいものが走った。

    店内の客もみな唖然としている。店員も困惑していたが、母親が「すみません。

    何かよく分からないんですけど、他の席にしてもらってもいいですか?」と伝えると、あっさり別の席へと案内した。あの席から離れると、すぐに男の子は泣き止んだ。

    彼には一体、何が見えていたんだろうか…。残された客の間には、嫌な空気が漂っていた。