洒落にならない怖い話を集めました。怖い話が好きな人も嫌いな人も洒落怖を読んで恐怖の夜を過ごしましょう!

  • 【洒落怖】夫の死

    2022/12/31 21:00

  • 数年前、夫が自殺した。

    死ぬ2年程前から心臓の難病に侵され仕事もやめ治療に専念していたが、そのうち薬の副作用なのかガンにも侵されている事が判明した。精神も病んだ夫は死ぬ事ばかりを考えるようになり、何度も何度も自殺を図り、その度に警察、救急車、病院の世話になった。

    警察の人にも「奥さん、このままだと旦那さんは何時か本当に死にますよ。その事は覚悟しなければなりませんよ。

    」と言われた。そのうち、夫は一家心中を考えるようになり、家に火をつけようとしたり、夜中に包丁を研ぎ出したり、子供や私にも暴力を振るうようになった。

    私も恐怖で眠れない日が続いた。家のローンも思いっきり残っていて、私の少ない稼ぎと貯金の切り崩しだけでは、もう限界が来ていた。

    双方の実家で話し合い、夫は、夫の妹のアパートから歩いて通える国立病院に入院し、義母が面倒を看る事になった。私は、仕事の都合と子供の面倒を頼める自分の実家に引っ越し、家は人に貸す事にした。

    別居してしばらくして、義母から「○○(夫の名)がいなくなった。」と連絡が来た。

    ひょっとすると・・・・とは思ったが、義母の気持ちを考えると「大丈夫ですよ。無断で友達の所へでも行ったんじゃないですか?そのうちケロッとした顔で帰ってきますよ。

    」としか言えなかった。次の晩、子供がベッドの下のに置いておいたアルミのボトルが突然、触ってもいないのに ベコン、ベコン と音を立てた。

    全身、鳥肌が立った。ボトルは空で、何日も前からそこに放置されていたものだった。

    たぶん夫が死んだのだと思った。子供も人影をみて怖くて声も出せなかった。

    翌日、夫が死んでいるのが発見された。それ以来、子供が言う「お母さんのベッドの足元に親父がいるよ!」そう、やたらラップ音がそのあたりからするんです。