妹の部屋に泊まった時の話。
自分は長野で働いてるんだけど、時たま東京に出張するときがある。勿論会社から宿泊費みたいなホテル代は出るんだけど、自分は大抵妹の部屋に泊まる。
場所が白山だから便利だし、大学がある(東大と東洋大)から安い店も多い。そんないつもの出張のとき、いつものように妹のアパートに泊まったの。
よせばいいのに、数日前に心霊スポットに逝ったらしいのね、妹。もう馬鹿かと。
やばいことはやめとけと。でも逝っちゃったらしいが。
案の定、なんかおかしいんだって。「連れて来ちゃったかもしれない」とかって言ってるの。
自分はそういうの全然わからないし、正直妹の言葉は信じていなかったんだけど、怖がりぶりが尋常じゃないの。まじめに怖いって言ってるさ。
その夜、妹がトイレに行ったのね。そのとたん凄い悲鳴。
マジ?って思ったけど、実際大声出すのって迷惑じゃない?近所迷惑になるしさ。だからこりゃマジだなって思ったんだよね。
飛んでいって「何だ?」って聞いたら、そこにオッサンが座ってるって。便器に。
俺には見えないのですのだ。全然。
でも、居るって言うの。妹が。
さすがに怖くなったけど、見えないんだからしょうがないわけで。「なんだチミは?」って言ってみたの。
どう見えるのかわからないんだけど、なんか半透明みたいなかんじ?って言う風に見えるらしいよ、その人。その場でそういうふうに説明されたんで、一応お引取りしてもらおうとおもって、「あんたはこの世の人ではないあの世の人なんだから、この部屋から出て行ってくださいな」って言ったの。
もう((;゚Д゚)ガクガクブルブル。やっぱりあの世の人なんだから、ドアとか自分じゃ開けられないかな?って思ってさ、そのときなんでそう思ったのかわからないんだけど。
幽霊なら壁とかドアとかするっと通り抜けたりするんだよね?とにかく、見えないなりにさ、玄関のドアを開けて、「とにかくどっかに行ってください」って言って。「幽霊が出たら人に迷惑だから、どっかに飛んでいってください」って言ってさ。
まあとりあえず言っただけだけど。だって見えてないんだもん、自分。
妹の見たところによると、飛ばなかったらしいw普通に階段を下りてどこかに行ったって、あの世の人。