少し前から俺には自傷するクセがあってついクセでやってしまうんだ。
やると凄く落ち着くしなにより気持ち良い。でも傷をつけるのは左腕だけで右腕には絶対に傷を付けないようにしていた。
右腕が利き腕という理由もあるし痛みを受けるなら左腕って決めてたんだ。その夢を見る前も左腕に縦に4本の傷をつけて気持ちが収まったところで寝た。
その日に見た夢でこんな事があった。気づくとすごく真っ暗で自分の事すら見えない所にいた。
暗闇と言うのは五感を奪うと聞いていたが正に本当だった。凄く怖くてがたがた震えていた。
すると目の前に女の子が現れた。13~16ぐらいの子だった。
女の子自体が発光しているみたいだった。すると女の子は痛みが気持ちいいの?と聞いてきた。
俺はうなづいた。怖くてそれ以外の事なんて気にしてられなかった。
そしたら彼女の体が急にぼろぼろと崩れていく。とうとう骨だけになってしまい白骨が目の前に横たわる形になった。
再度女の子の声が聞こえそんなに痛みが気持ちいいの?と聞いてきた。しかし俺は何も答えず震えていた。
怖いんだ。死ぬほど。
すると白骨が動き出し、だったらもっと傷つけなよと言ってきた。そしてどこからかかみそりを持ち出し俺の腕に深く食いこませた。
そして自分の悲鳴で目が覚めた。起きると特に変った事はなくタオルで汗をふきまた眠りにつこうと思った。
なんだ夢かと思い寝返りをうつと右腕に激痛が走った。深く深く右腕にかみそりが食いこんでいた。
しかし不思議と血は出ていない。まるで今刺されたかのように。
そのとき洗面台でかちゃんと音がしたのはなんだったのだろうか。今も少し痛む。
それっきり自分を傷つけるのは止めた。あの女の子が怖いから。
顔が無いのがとても怖かったから。それっきりもうこの夢は見ていない。