自分は郵便局で働いているのだけど、
ある日、夜勤でとある家に
ちゃれ○じを再配達で届けにいった。
そこはいわゆる、
レオ○ルス系のアパートで
1階と2階で部屋が分かれていて、
2階に住んでいる人は玄関を入るとすぐ階段のあって、
2階に居住空間のあるところだった。
呼び鈴を鳴らして
「こんばんは、郵便局ですー」
とインターホンに告げると
「はーい、今いきますー」
と若い女性の声が聞こえて、
10秒も立つとドコドコと階段を忙しく下りる音が聞こえてきた。
ドアを開けてもらうと
そこには30前後の女性が
「夜分にすいません」
と言いながら現れた。
「いえいえ、
こちらお名前とご住所お間違いございませんか?」
と郵便物を差し出したとき
右手に子供のような影が体半分、見えた
そのときは深く考えずに、
そのまま郵便を渡したのだが、
ドアを閉めてふと思った?
(・・・今のは何?)
ちゃれ○じが来るんだから
子供さんがいるのは当然だ、
でもそこには普段と違う違和感があった。
夜間の再配達にいけば、
子供さんも家にいて
玄関先まで出向いてくるのはよくある話だ
だけど、その場合は自分で受け取るにしても、
後ろでモジモジしているにしても
絶対に顔が見えるし何か喋る、
もしくはそわそわと動く
でも先ほどの影は、
本当に真っ黒で
しかも微動だにしていなかった。
仮に後ろを向いていたとしても、
真っ黒というのは少々解せないし、
そうだとすればその子供はわざわざ玄関前まで降りてきて
階段の方をずっと眺めていたことになる。
それに足音は確かに一人分しか聞こえていなかった。
だとすればその子供さんは
自分が家に着く前からそこにいたことになる
そこまでして待っていた子供が
こちらに背を向けているなんてあるのだろうか?
そもそも確かに体半分が隠れていたけれど、
あの狭いスペースに
ドアと通路の間に体が半分も隠れるようなスペースが果たしてあったのか?
ここまで思ったところでそれ以上考えるのは止めた。
特に怖いとか、
そういうことを感じたりはしなかったけれど、
あの人影は一体なんだったんだろう?