これは僕が中学生の時に体験した出来事です。
事件のあった場所は山梨県のある湖畔で、当時僕達は林間合宿でコテージのようなプレハブのような所に泊まりに来ていました。そこはあまり公にはされてはいませんが入水自殺が結構多い場所でして、当時(今もですがw)怖いものが好きだった僕達は密かに夜、何かが起こるんじゃないかと楽しみにしていました。
食事や、キャンプファイヤーなんかも終わって、それぞれ自分たちの班のコテージに戻ってごろごろ話をしていた時に、僕の友人が冗談で「最後に寝た奴は湖に連れて行かれる」とかそんなことを言いました。みんな笑って「じゃあ●●だな~」とか「えー××だよ!!」とか言っていたような気がします。
そうこうして喋り疲れて、段々とみんな寝ていきました。僕はよく隣の奴と「△△、もう寝た?」とかそんな事言っていたような気がします。
そうこうする内に眠くなって、僕も寝ました。最後まで誰が起きていたのかは、よく覚えていません。
その夜、夢を見ました。僕は気が付けば猫になっていたのです。
それも「人間」である僕が「猫」になったという事を自覚している訳ではなく、「猫」でいるのが当然のような気持ちでした。夢の中で僕は(詳細はあまり覚えていませんが)ネズミを追っかけていました。
心身共に(夢で心身共にと言うのも可笑しいですが)猫になりきった僕は、目の前のネズミを追いかけずにはいられず、ひたすらネズミを追っかけていました。夢の中ですが、とても興奮して追いかけていたような気がします。
夢の中でネズミを追いかけている最中に僕は突然起こされました。寝ぼけて回りを見まわすと、コテージ内の殆どみんな(たしか5~6人)が心配そうな目で僕を見ていました。
僕の横には隣で寝ていた△△が、僕をつかんで離さないというような姿勢になっていました。なんでみんなそんな僕を見ているのだろう、と気になりました。
ですが、自分の手を見てびっくりしました。自分の手の爪が剥がれそうな位擦り減って血まみれになり、壁には自分の手の爪が引っ掻いたであろう爪あとがびっしり出来ていました。
その晩は先生に寝ぼけたと言うことで治療をしてもらい、以降何も起こりませんでした。ですが、後日気が付いたのですが、自分が引っ掻いていた壁の向こう側は、湖へと続く道になっていたのです。
これが幽霊の仕業か単なる寝ボケかは判断しかねますが、仮に寝ぼけたとして、自分の手が血まみれになる位寝ぼけるなんてこと、あるのでしょうか?どちらにしろ、不思議な体験でした。