小学1年の頃の話です。
朝、校庭の鉄棒で遊んでたら隣のクラスの女の子が寄ってきたんですが、彼女は何故か4歳くらいの小さい女の子を連れてるんです。私は「なんであんな小さい子が来てんの?」と不思議に思ってたんですけど、周りの子達は気に留める風でもなく普通に遊んでました。
それから10日間くらい、ずーっと彼女は女の子を連れて登校してたんです。ある日、校庭の掃除があったので私がゴミ拾いをしてると、彼女がニコニコしながら歩いてきました。
何気なしに彼女の後ろを見たんですが、この日は小さい子を連れていません。何だかすごく気になったので「小さい子は?学校に連れてきてもいいの?先生に言ったの?」と尋ねました。
私がその言葉を言い終わったと同時くらいに彼女がこわばった顔で「・・・それ、どんな子?」って聞いてきたんです。私は小さい子の特徴を彼女に話しました。
某幼稚園の制服を着ていて髪型はオカッパ頭で、目が細い女の子だよって。すると彼女が号泣し走っていっちゃったんです。
私自身なんで彼女が号泣するのか?サッパリわけが判らなくてキョトンとしてたんですけどその日の放課後、家に帰ろうと校門を出たら彼女がお母さんと一緒にやって来て「朝の話、おかあさんにもう一回してくれる?」と言ってきました。言われるままに朝、話したとおりのことを彼女のお母さんに言いました。
最初はお母さんも怪訝そうな顔で私の話を聞いてたんですけど、突然「制服に名札ついてた?」と聞いてきました。・・・名札、つけてました。
ピンク色の星の形の名札です。でも不思議と名前がにじんでたんです。
濡れた後みたいな感じっていうんでしょうか?それを言った途端、お母さんが私に言いました。「この子ね、妹がいたんよ。
先月幼稚園の帰りに寄り道してて川べりで遊んでてね。一緒に遊んでた子と二人で川に落ちちゃったの。
ニュースで言ってたの、知らない?」・・・そんなこと言われても小学1年の私には判ることじゃありませんでした。「うーん、知らない」私はそう言って家に帰った後、自分の母にその事を全部話したんです。
母の言った言葉は「あのね、アンタは人の見えないものが見えるんだからあんまりベラベラ話しちゃダメだよ」でも、妹みたいな子を連れて学校きてたんだよ~!と母に言うと、母が怒ったように教えてくれました。「アンタが見た子ね、川に落ちちゃったって言ったんだよね??一ヶ月前に**(某川名です)で子供二人が溺れて死んじゃったんだよ」私が見たのは死んでしまった妹だったんです。
とてもお姉ちゃん子で毎日学校へ行く道の途中まで泣きながらお姉ちゃんを追いかけてきてたそうです。死んでもお姉ちゃんの傍にいたかったんですね。