怖いといえば、少年時代に神隠しにあったヤツがいたな。
ある日近所にある大きめの神社で、6、7人の友達と遊んでた時の話だ。でかい御神木の隣にしめ縄の張ってある小さめの御神木があってな。
そのかたわらに墓か記念碑みたいなモンがたってて、ちょっと土が盛り上がってる部分があった。そこで誰が言うともなしに掘ってみようってことになってな。
近くの水道場で水を汲んできて、かけながら掘ったんだ。バチあたりとかよりも好奇心がさきにたっていたので、何か宝でも埋まってるんじゃないかとおもって皆夢中で掘った。
二人ほど興味無いと言った感じで、でかい御神木の方で遊びつづけた。しばらくして宝石箱の様な小さな立方体の箱を掘り出した。
期待して蓋を開けたけれど、中に入っていたのは鉄製の砲弾のような丸い球だった。箱の内側には数字も彫ってあった。
あてが外れたせいか皆無言になり、俺もなんか罪悪感がこみ上げてきて、あわててその箱を元の位置に埋めた。埋め終わるとでかい御神木の方で遊んでいる二人がいなかったので、勝手に帰ったのかと思い、皆解散した。
その日の夜、うちへ電話が掛かってきた。俺に用だというので出てみたら、先に帰った二人のうち一人の母親で「うちの子を知らないか?」という。
てっきり先に帰ったと思い込んでいたので「ダレソレと一緒に帰りましたよ」と言うと、まだ帰っていないのだという。しばらく親同士が色々連絡をとりあっていたが、二人のうちかえってきた一人は「~君がふざけて隠れたんだと思って、木(でかい御神木)の裏の小道から裏山の祠まで探したけど、いなかったので先に帰ったと思った」とのこと。
警察もPTAも色々さがしたけど、それ以来そいつの姿を見たやつはいなかった。死んでたとしても死体すら見つからんとは…今でも謎だ。