小学6年生の頃の話です。
運動会のため、体育の授業はほとんど運動会の競技・演目の練習に充てられていました。その日の体育の授業は「組体操の練習」。
ピラミッドや扇をつくる、定番のものです。そんなに難しいものではありませんでしたが、私は途中で失敗し、転落した際に左手首に全体重をかけてしまったらしく、手首を傷めてしまいました。
幸い骨折・ねんざもなく、痛むだけだったので、その日はシップを張って寝ました。翌朝。
目覚ましの鳴る前に、私は目を覚ましました。ぼんやりする意識のなかで身じろぎすると、体の感覚もすぐに目覚め自分がお腹の上に左手、左手に重ねるように右手を置いているのが分かりましたが左手の感覚がありません。
右手を動かし左手を触って、「ああ左手がある、感覚がないみたいだ」と分かるのです。昨日の怪我のせいかなぁと思い、左手を動かそうと力をいれると・・・パッと左手の感覚が戻り、動かせました。
でもその左手は、自分の顔の横にあったんです。じゃあ、右手の下にあるこの手はなに??パッと右手を持ち上げ、それまで触れていた手から離した瞬間、ベッドの横を石膏のような真っ白な顔(顔だけ)がサァッと抜けていきました。
しばらくはパニックと恐怖で声が出ませんでした。夢だったんだと信じようとしていますが、10年以上たった今でも忘れられません。