家は両親が霊感があって子供の僕には霊感がない。そんな家庭でした。
僕が中学の時、修学旅行から帰ってきた僕に母が唐突に「あんたの部屋、なんかいるけど。」と言ってきました。
何でも、僕の留守中に男の霊が部屋に入ってきたそうで、ドアやまどの開閉音を家族全員聞いたそうです。
普段なら、怯えあがって、部屋にも入れなくなるところですが、その時は修学旅行の帰りということで気分的にハイになっていて、「これから、よろしくお願いします。」なんて、霊にあいさつしてしまいました。
そしてその日から、母の言ったとおり、僕の部屋は怪奇ワールドと化しました。
何かの気配を感じるなんてあたりまえで、窓を叩かれる(内側から)、部屋にいないのに足音が聞こえる、COラジカセ(死語)の電源が勝手に付く等の霊現象が起こりました。
僕は怖くて、怖くて母に相談しました。
母は「あんたね、霊に話しかけたでしょ。ああいうのは相手にしたらなかなか離れないよ」と言いました。
僕、唖然としました。その夜はただ震えながら、何も見えない天井にひたすら謝りました。その時は、馬鹿で気づかなかったんですけど、謝るってことも相手にするってことですよね。
逆効果でした。
あれから早一年、見えない同居人は、いまだに自分をアピールし続けています。もうさほど怖くはないのですが、見えたり、聞こえたりするのは勘弁してくれと声には出さず、心の中で願っております。