これはお父さんから聞いた話です。
お父さんが出張で東京に行くときの話しです。その日は、朝から雲ひとつ無い陽気で、きもちよかったそうです。
そのときは、新幹線ができていなかったから、仙台発朝一番の【特急ひばり2号】に乗って行ったそうです。丁度列車が福島県の白河駅をすぎて栃木県との境辺りに入ったときでした。
右の車窓を見ていると、白い紙のようなものがくねくね動いていたそうです。そのころお父さんの視力は[1、1]で、高い視力だったのですが、それでも見えないくらい遠くでしたそうです。
次の停車駅の黒磯駅で、長く列車が止まるので、お父さんはホームに出て深呼吸をしたそうです。そしたら、後の車両で、おじいさんがタンカで運び込まれていたそうです。
お父さんは、その人を見てみると、驚くことに、車内から見えたあのくねくねしたもののように、くねくね体がうごいていて、その瞬間お父さんは冷や汗をかき、あわてて車内に戻ったそうです。そのおじいさんは、望遠鏡を首から提げていて、もしかしたらそのおじいさんは、それであのくねくねしたものをまじかに見てしまったんだろうとお父さんは言っています。